生活を書く

暇にまかせて。

一人暮らしについての妄想と、現実的な問題

 

一人暮らし

 

なんて甘美な響き。

 

 

私は生まれてこのかた一人暮らしをしたことがない。

両親はどちらかというと放任主義で特に煩わしいと思ったこともなく(というか、私に対してクールな接し方だったのでもっと構って欲しかったくらいの気持ち)学校も実家から通学出来る場所にあったので、学生の頃は一人暮らしを考えたこともなかった。

新卒で入った会社は電車通勤で片道一時間以上かかったので近くに住んだら楽だなぁとぼんやり思ってみたりしたけど、現実的に一人暮らしをする気は全くなかった。

一人暮らしをしたら益々会社に居る時間が長くなって、毎週休日出勤しそうな未来がすぐに浮かんだ*1し、小学生の頃から馴染みの道を通って誰かが居る家に帰ることで生活が保っている気がしていたから。

実家と言っても祖父母も親も、私が帰る頃には各々寝室に居り顔を合わせることも殆どなかった。

晩御飯も特に残されてないので(ある時はある、ない時はないというスタイル)コンビニのパンや、冷蔵庫を漁って簡単に作ったものを一人で食べていたし、風呂も冷えており沸かし直して入って、ベッドに積まれた漫画を読みながら、漫画と服に埋もれて寝る。そして数時間後また出勤、と、何だか一人暮らしと変わらないような気もするが、それでも“誰かが居る家”というのは安心出来ていたと思う。

 

で。問題は今。

 

 今、めちゃくちゃ一人暮らし、してえ。

 

 

実家を出ていのっち(配偶者)と数年の二人暮らしを経て、義実家に同居することにした私たち。

いのっちは実家に戻るのをものすごく嫌がっていた。涙を流して嫌がっていた(私は全然ヘーキでした)。

はじめは大人五人と猫一匹で暮らしていたけど、今はお義母さんといのっちと私の三人暮らし。

二世帯住宅でも何でもなく、同じ釜の飯を食い(お義母さんは米は食べないが)夜は毎日三人、同じコタツに入っている*2

色々とそりゃ、育ってきた環境の違う人間同士ですもの、気になるところは少しはあります。けど、嫁姑の仲は悪くない方だと思うの。

どれくらいの仲かと言うと「すみません、おならしちゃいました!」とか言い合える仲。

そんな風に受け入れて貰えて、恵まれていることもわかってる。

それでも。ふと、一人暮らししてみたいと思ってしまうことがある。

それは前にも書いたのだけど*3現実逃避したい時。

ずっと遠くにある、叶える気のない夢だから、安心して妄想が出来るのかな。

 

 

一人暮らしをしたら、まず、ラムを食べたい。

ラムの焼肉を食べたい。

いのっちが羊の匂いがダメなので、それだけはやめてくれと言われている。

私は好きなのに。

だからラム肉を焼いて食べたい。

 

あと、ダニを気にせず生活したい。

私は掃除が嫌いなのだけど、いのっちがアレルギー持ちで喘息を起こしてしまうため、神経質にならざるを得ない。*4

掃除なんかテキトーに済ませたい・・・。

 

それで自分の好きなものだけの空間にする。

まず壁一面を本棚にする。洋服、靴、着物の収納場所も忘れちゃいけない。

食器も自分の気に入っているものだけを置く。

家に居る間は好きな音楽や好きな映画やアニメをずーーーっと流していたい。結婚前、一人でいる時は常に音楽を聴いていた。最近は、一人で居ることが少なくて全然だ。

毎日自分のことだけ考えてご飯を作りたい。

一人なら、おかずは茹でた野菜だけでも良いなぁ。ちくわだけの日があっても良い。何でも良い。一食は天津飯(今めちゃくちゃはまってる)にする。今の所それは外せない。

たまには手の込んだ料理をしたりして。

誰の意見も気にせずに模様替えをして、たまに気分を変える。テーブルの向きを変えるだけでも随分と新鮮な気持ちになるだろう。

それが私のしたい一人暮らし。

ちなみに一人暮らししている私は宝くじが当たってお金持ち(だけど無駄な浪費はしない)という設定です。

一人暮らしに対して憧れが止まらなくて完璧に拗らせている。

 

 

 

 

現実として一人暮らしをする時は、家族がみんな死んでしまった時になる。 

妄想の中では自由、解放、気楽、最高!という感じなんだけど、現実の一人暮らしは悲しみからスタートしそうだ。

家族の中では私が一番死ななそうで、生き残る可能性がめちゃくちゃ高い。長生きした老人の多い家に生まれたので、今まで同居家族の死は五回経験しているが慣れるものではない。

私が最後だとすると、あと四回(義祖母は今施設暮らしなので同居ではないが)経験しなければならない

出来れば残りたくないけど、将来、きっと一人暮らしをすることになる。

最後にひとり、残った末の一人暮らし、、、字面だけでもう悲しい。

悲しくなってきちゃうけど、なるべく機嫌良く暮らしていければ良いな。

機嫌良く。

機嫌良く・・・現実で機嫌良く暮らすためには克服しておかなければならないことがある。

それは「どろぼう」と「おばけ」。

アホみたいだけど、自分にとっては結構大きな問題だ。

物心ついた時からずーっと怖い。家族と一緒に暮らしていても洗面所で一人で髪を乾かしていたりするとどうしようもなく怖くなってしまう時があるのに、一人暮らしになったらどーすりゃ良いの?

どろぼうはまだしも、おばけって。おばけ、いませんからね?

と言いつつ、いるかもしれない気がしてしまい怖くて仕方ない。

三十年以上生きて克服出来ていないのだから、もう無理な気もするが。

一人暮らしどーですか?おばけ出ませんよね?(「出ない」または「絶対出ない」と答えてほしい)

どうかどうかその頃には克服して過ごせていますように。

 

 

ドライヤーを当てながらビクビクし続ける未来は嫌だ。

 

 

*1:好きな仕事だったので放っておかれるとどこまでもやってしまいそうだったけど、そういうのは良くないと思っていた

*2:他にも部屋はあるが、冬は三人とも同じ部屋に居た方がコスパが良い為

*3:この時は家族が大変で何だか私も疲れていた模様

*4:今キチンと出来ているかと言われると謎だけど、喘息になってないのでオッケーということにさせていただきたい

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